富士山周辺(愛鷹山) 前岳(1336m)、飯盛山(1042m) 2012年1月9日
所要時間 6:42 車止め−−6:55 林道を離れる−−7:03 稜線−−8:21 前岳−−8:38 ルートミスに気づく−−8:43 正しい尾根に乗る−−8:49 飯盛山−−9:06 登山道を外す−−9:12 沢−−9:22 林道−−9:25 車止め
概要
下和田川沿いの林道が標高580m付近で分岐する地点より周回。往路は地形図の破線で北側の尾根に出て登山道で前岳に登り、帰りは東尾根で飯盛山経由で下る。前岳の下りでは標高1130m付近で尾根がバラけ、方位磁石を使ったにも関わらず1本北側の尾根を下ってしまい、ルート修正した。また、飯盛山下りの標高840mの広い尾根で道が薄く尾根を直進してしまい、沢沿いを下って最後は笹藪突破。途中まで参道はしっかりしていたので、正確に尾根を辿れば籔漕ぎは不要と思われる
下和田から見た前岳 |
愛鷹山は複数のピークがあり、半分以上は登っていると思うが未踏もある。そのうち、東側に位置する前岳と飯盛山を周回することにした。下和田川沿いの林道から前岳、飯盛山には破線が書かれており、前岳〜飯盛山間のみ道の記載が無いが籔さえなければどうにかなるだろう。しかし、富士山周辺は笹藪の確率が意外に高く、飯盛山から前岳に登る方向には使いたくなく、反時計回りで前岳から飯盛山に下る方が得策と判断。ただし、標高1000m前後の尾根がバラけた区間の下りが悩ましい。
廃林道手前の橋の駐車余地 | 施錠された車止め。こちらが本道 |
印刷した地図の範囲が狭かったため、林道入口が分かりにくく古いエアリアマップを使ったが、20年も前の地図なので道が変わったのか現場の道の曲がり具合と地図とが合致しない。磁石を見てできるだけ西に進む道を選んで車を走らせるとほぼまっすぐ西に進むようになり、どうやら林道に乗ったらしい。やがて右斜め上に林道が分岐、鎖がかかっていた。直進の林道を進むとすぐに左に曲がって沢を渡り、その先は廃林道化していた。どうやら鎖がかかっている方が下和田川沿いの林道らしい。分岐付近には車を置くスペースが無いので、橋の手前の駐車余地に置いて出発。
良好な林道が続く | 地形図に出ている破線 |
鎖の先も舗装林道が続き、こちらが本道らしい。林道周囲は笹が生えた植林で、道が無いといきなり笹藪漕ぎだ。地形図では林道カーブから北側の尾根上に破線が延びているが、実際に存在する道だろうか? 地形と地図を見比べながら歩くと、地形図の破線位置と同じ位置に位牌岳登山口標識が登場、よかったぁ、最初から籔漕ぎではなかった。
植林を登る | 道はトラバース開始 |
道を外れて尾根上に向かう | 尾根に出るが道が無い。籔もない |
登山道に乗るが道はやや薄く、頻繁に使われている雰囲気は無いが心配していた笹は皆無で歩きやすい。最初は高度を上げたが横に巻き始めた時点でショートカットのためルートを外れて植林中を上を目指す。尾根に乗るともっと明瞭な道があるかと思いきや、植林で籔は皆無だが明瞭な道も見られず、代わりに目印が点々と続いていた。
登ってきた道。ここで正式登山道に合流 | 今度こそは道らしい |
林道に下るルートが別にあった | 植林脇は笹籔 |
標高680m付近で右から顕著な道が合流、私が来た細い道は「下和田」と標識が出ていた。「本道」は田向辺りに下るのだろうか。これ以降は登山道らしいいい道となり、安心して歩けるようになった。もう1か所「下和田」の分岐標識が登場、私が通った道よりも上部で林道に出るルートがあるようだ。植林が続くが相変わらずその下には激藪ではないが笹が繁茂し、道がありがたい。
ここで自然林に切り替わる | 尾根から少し離れた大杉 |
落葉樹林が低くなり隙間が増えてくる | 越前岳。山頂付近のみ霧氷で白い |
雪が少ない富士山、黒岳に東富士演習場(黄色い広い部分) |
標高900m付近で植林が終わって明るい落葉樹林に。最初はまだ笹が見られたがそのうちに消えた。山頂まで登山道を辿るだけ。ほぼ終始樹林に覆われて落葉樹とはいえすっきりとした展望は無いが、時々樹林が開けて富士山が姿を現す。厳冬期なのにえらく積雪が少なく、秋の景色のようだ。高度が上がると矮小な樹木が増えて富士山が見えるチャンスも少し増えるが、枝が視界に入らないですっきり見えるポイントは少ない。越前岳は山頂付近は霧氷で白くなっていた。
もうすぐ前岳 | 前岳山頂 |
登ってきたのは田向方面から |
登り一辺倒の尾根の傾斜が緩んでピークに到着すると前岳山頂だった。目立つ山頂標識は無く山名事典記載の山らしい。位牌岳の標識の他に「大沢入林道 山神社」の標識が。どこを示しているのか分からなかったが、帰ってからネットで調べたら北側を流れる大沢沿いの林道に下るルートのようであった。「山神社」とはその林道から黒岳南西側鞍部に登る登山道入口にあるらしい。例のごとく地形図に掲載されていない道は多い。
飯盛山向けて下り開始 | この黄色い目印が多い |
明瞭な明るい尾根 | 大きな杉が登場 |
さあ、本日のメインイベント開幕。飯盛山までの下りだ。最初から踏跡など期待していないので磁石を首にぶら下げて出発。磁石の出番とは年末年始の山登りを思い出すなぁ。最初は南東方向で、下り始めてすぐに尾根が明瞭化するとともに予想外に目印頻発。利用者がそこそこいるらしい。心配していた笹は無く、落葉樹の自然林が続く。標高1300m付近で大きな杉の木が立っており、いい目印になる。
まだ緩い傾斜で明瞭な尾根 | この先標高1130m付近で急激に落ち込み尾根がバラける |
既に間違った尾根に乗っている | 飯盛山とそれに続く尾根が右手に見える |
やがて植林に変貌、相変わらず尾根明瞭だが標高1130m付近で傾斜が増して尾根がバラけて進路判断が難しくなる。ここでまじめに地形図を見て進めば良かったのだが、尾根地形にこだわって本来の尾根の1本北側の尾根に乗ってしまった。最初はかなりの急斜面で木に掴まりながら下り、標高1050mを切って傾斜が緩むと右手にもっと高い尾根が見えるようになり、ここでルートミスが発覚。このまま下和田川に下ってしまおうかとも考えたが、ここならまだ挽回可能と考え直してトラバースして正規の尾根に向かうことにした。
トラバース開始。籔無し | 小さな枯れた沢を越える |
こちらも籔無し斜面 | 正規の尾根に乗った |
最初は植林、すぐに自然林に変化するが籔は皆無で傾斜もそこそこでトラバースは簡単だった。やがて枯れた小さな谷を横断、ここも危険個所は無い。正規尾根の北斜面も自然林で籔無し、簡単にルートに復帰できた。こちらの尾根は水平移動で目の前にピークが立っている。やれやれだ。
飯盛山への登り | 飯盛山山頂。大きな杉に囲まれた建物あり |
飯盛山から見た北東方向 | 参道?が続く |
登りにかかると笹が出てくるがあまり濃くないし踏跡もあり問題なし。登り返すと飯盛山山頂。お寺なのか不明だがこじんまりとした建物があり、周囲は大きな杉が立ち並んでいた。杉と言えば神社なのだが。東へはそこそこ明瞭な道が延びており、体に触れる笹はあるがルート上は一応笹が消えている。地形図の破線らしい。このまま下れば籔漕ぎの心配はなさそうだ。
笹もあるが道ははっきりしている | 標高850mで尾根直進のミス |
尾根をトラバース | しかし笹藪に突入 |
小尾根をたどって沢へ | 下和田川へ出た |
ところが標高850mで傾斜が無くなり尾根も広がり、おまけに笹も消えた植林でどこでも歩けるような場所のため、地形図や目印を見ずに尾根を追うと破線から外れてしまうのだ。地形図を見ていなかったためそれに気付かず尾根を直進し、行く先に沢が見えてきた。そのまま沢沿いに下っても良かったのだが、まだルートを外したことに気づかずに獣道らしき筋を追って右にトラバース、しかしすぐに笹の斜面に突っ込んで消えてしまい、その後は笹藪をトラバース。籔のトラバースは疲れるのはよくわかっており、嫌気がさして沢に下ることに。
左岸が歩きやすい | しかし笹が登場 |
再び河原に | 左に林道が見えたのでルート変更 |
鎖の車止め到着 |
水量は少なく、沢の中を歩いたり左岸側の植林を歩いたりと適当に進む。どうせすぐに橋に出るかと思ったがなかなか現れない。植林帯は石ゴロゴロの沢と違って平坦で歩きやすい地形なのだが、ここにも笹が蔓延って傾斜が無い分籔漕ぎがきつく、主に沢の中を歩いた。やがて左手に林道が見えるようになり、笹藪を漕いで林道へ。数分で車止めの鎖に到着した。
駐車スペース。1台増えていた |
橋の手前の駐車余地に向かうと車が1台増えていたが、位牌岳へ向かった登山者のものだろうか?